第三者の目

建築の設計には、着工してから施工会社さんが描く、施工図というものがあります。
私たちが描く設計図とは別に、工事を行うための制作図のようなものです。
鉄骨の制作図や基礎伏図、配筋詳細図、サッシ図等がその施工図になります。

設計者が行う仕事は大きく二つに分かれます。
一つは図面を描く設計業務と、もう一つは図面通り、完成に向かって進める設計監理業務です。
施工者が描く施工図を設計士がチェックして、意図した施工図になっているかどうかを確認することも設計監理業務の一つです。

写真のように、品質、構造、意匠上、間違いがないかどうかを赤ペンでチェックを入れます。
お施主さんには見えない大切な設計監理業務です。
現場で施工会社さんと打ち合わせすることも大切な設計監理業務ですが、事務所で粛々と行う地味なチェック業務はもっと重要です。
工事が始まればその多くはこの地味な仕事と向き合います。

もちろん施工会社さんも意図的に間違った施工図面を描いているわけではありません。
しかし現場監督さんが図面の意味や意図を理解していない場合もあります。
もし第三者のチェックがなかったらどうなるのだろう・・
知識や経験の浅い、現場をコントロールができない現場監督だったらどうなのだろう・・
おそらく指摘している箇所は表面に出ることはなくスルーすることになる・・

悪気などないし、塞いでしまったら問題が起こるまで気が付かないもの・・
建築の怖いところであり、現実に起っていることです。

設計事務所だからという訳ではありませんが、第三者の目でチェックすることは重要なことだと思っています。

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