価値観の基軸の変化

デパ地下は百貨店の集客装置の一つである。
同じフロアーなのに、行列のできているお店と、閑散としたお店との明暗がはっきりしている。
同じ売場内なので、立地条件や商圏などの外部要因は同じはず。
ひと昔前に老舗だ、ブランドだということでロイヤリティの高かったお店に元気が感じられず、反対に行列のできているお店はあまり有名でない小さなお店だったりする。
こういう状況を見ていると「ブランド交代」が起きていると感じるし、価値観の基軸が変わっていることが分かります。

消費者が商品に対して「おいしくない」という否定的なイメージを持った時に「機械でつくった商品」「大量生産の味」という表現をよく耳にします。
反対においしい、価値観がある表現方法としては「こだわりがある」「手作り感がある」「暖かさがある」「素朴」「地産地消」という言葉が目立ちます。
大量生産、工業化された商品は価値のないものであり、手作りしたものは価値があるものだというモノサシが基軸になっている。

企画会社が考えた見え過ぎた仕掛けや複雑なデザインは敬遠されている。
お店の大小に関らず、この価値観の基軸の変化は、敏感に察知すべきである。